今回は、現在も定期的に通われている方のレポートです。半年前、初来院時はひどい頭痛に悩まされていた方ですが、現在は頭痛はなくなっています。頭痛でお困りの方、是非読んでみてください。
症状
4,5年前から慢性的な肩こりがある。思い当たる原因はないが、デスクワークで姿勢が悪くなっている気がする。近年頭痛が出るようになった。ひどい時は2日間くらい寝込むこともあり、吐き気を伴いガンガンするような痛みである。最近はひどいので市販の鎮痛剤を服用するようになった。またワインを飲んだ後も同様の頭痛が出る。辛い時は寝ても改善せず起床時から一日続く。最近ストレスのせいか体重が4キロ増加したので、自宅で筋トレを行っている。辛い時はマッサージに行っていたが、頭痛を根本的に改善したいと思いカイロプラクティックを受けようと思った。
検査
本人の自覚症状を訴えているのは左右の上部僧帽筋である。首の可動域は問題なく、肩関節の可動域は正常であるが、関節がやや緩い。その反面、左右ともに肩甲骨の動きも悪く、胸椎の柔軟性も著しく低下している。特に胸椎は回旋の動きでは鈍い痛みを伴う。横から見た姿勢は、頭部が前方にシフトしており、胸椎の後湾が少ない。後頭骨と上部の頚椎を繋ぐ筋肉の緊張と圧痛が強い。右上部側頭筋の緊張が強い。本人が訴えている右上部僧帽筋を指圧すると側頭部に響く痛みがある。
施術
初回、肩首周りは触診において痛みが強い為、時間をかけて丁寧に肩と連動して肩甲骨の動きを付けた。特に肩関節が柔らかいので、肩関節を固定して肩甲骨や胸椎中心に動きを付け、胸椎の動きの悪い箇所を矯正した。その時点で、患者は首の症状は少し軽減して姿勢が正しやすいと感じている。
首は、時間をかけて本人が症状を訴えている上部僧帽筋を緩め、上部頚椎の動きが悪い箇所を矯正した。続いて、後頭骨と上部頚椎を繋ぐ筋肉を緩め、牽引しながらストレッチを行った。
日頃の不良姿勢を早く改善する為に、ホームエクササイズとして肩甲骨を寄せたり上下に動かす運動を指導した。
1週間後来院。初回の施術後は症状がかなり軽減して楽になったが、夕方には戻ってきているような感覚があり、夜には揉み返しといつもの頭痛が発症したとのこと。全体的に初回の状態にほぼ戻っていたので、初回同様の施術を行い、施術後の状態をキープするために、背中の伸展の動きを付けるエクササイズや胸を開きながら肩甲骨を動かすエクササイズを指導した。更に1週間後3回目の施術では、症状が半減して頭痛の回数が減っていたが、まだ頻繁に頭痛がでる状態にあり吐き気も伴い、継続して定期的な施術を行った。5回目来院時には頭痛の痛みの度合いがかなり軽減した。8回目来院時、頭痛の頻度と痛みの度合い共に大幅に軽減しており、9回目の施術以降は頭痛を発症していない。現在も定期的な施術を行い、姿勢改善を含めたメンテナンスを行っている。デスクワークで運動不足なので、肩甲骨周りを動かすピラティスを指導している。
コメント
この方の場合、頭痛は頻繁に起こっており慢性頭痛となっていました。慢性的な頭痛は一般的に、片頭痛と緊張型頭痛、まれに群発性頭痛にみられますが、この方の場合は、主は片頭痛です。片頭痛は、血管が拡張して炎症を起こすと周りの神経が刺激されて発症します。痛み方はズキンズキンやガンガンなど、また吐き気を伴います。頭痛の種類によって対処が変わってきますが、片頭痛の場合は血管が拡張すると起こるので、施術後に頭痛が発症したのも、施術で頚部や頭部の筋肉を緩めたことが血管拡張につながり頭痛が悪化したのです。実際、施術によって頭痛が悪化すると不安もあるとは思いますが、不良姿勢によって負担のかかった頚部や背中の筋肉などを緩めることは必要であり、根本的に頭痛を改善するには必要なことです。この方は、効果が出るまでに施術回数はややかかりましたが、姿勢や肩こりを改善させて首の環境をよくすることが頭痛解消へ結びつきました。頭痛薬を服用して一時的には痛みは取り除けますが、首の環境が悪ければ再発は免れません。片頭痛を改善させるためには、肩こり改善はもちろん姿勢や体のバランスなどを整えることとても大切です。
産前産後の女性を対象とするエクサイズに興味を持ち、ピラティスインストラクターの資格も取得。WHO基準カイロプラクターとして、より効果が高く持続する独自のケアメソッドを提供しています。一児の母。