産後、背中の張りと腰痛でご来院された女性の症例です。
症状
産後3カ月半 もともと慢性的な肩こりはあったが、毎日の授乳をする姿勢のせいで背中の張りや腰痛が出てきた。妊娠中に15キロ増加した体重だが、7キロまだ戻っていない。産後、骨盤ベルトを1か月しかつけていなかった。骨盤ベルトを付けた方がきつかったのでので、やめたが骨盤の歪みがないのか気になっている。
検査
立位の姿勢では、猫背が顕著であり頭部が前方にシフトして、全体的に外側重心になっている。骨盤が開いており、右仙腸関節に圧痛がある。腰部伸筋の緊張は強く、殿筋はうまく使えていない。胸椎の柔軟性が低下しており、上腕の筋肉の緊張が強い。肩関節(肩甲上腕関節)動きは伸展・外転動作など制限があり、肩関節の動きに伴う肩甲骨の動きも低下している。
施術
初回は柔軟性のなくなった胸椎・肋骨の動きを整えて、胸腰移行部の負担が掛かっている部位を矯正した。猫背により背中の筋肉もうまく使えておらず、やや内に入っていた肩関節を正しい位置に戻し、動きの制限がある伸展・外転動作の動きや肩甲骨の動きを改善させた。そして、動きに制限があり圧痛を伴う上部頸椎に対しても矯正を行った。この時点で、姿勢が正しやすくなったと実感した。
腰部は緊張している腰部伸筋を緩めて、骨盤の歪みを矯正した。また、産後で開いた骨盤を調整して、骨盤底筋や殿筋のエクササイズを加えた。開いていた骨盤を安定させるために骨盤ベルトの指導を行った。腰の施術後は、立ちやすくなったと感じていた。
結果
授乳は、毎日何度も行う動作なので無理をしない体勢で行うのが良いのが、この患者さんの場合は、悪い姿勢が習慣化して身体に負担をかけて背中の痛みを発症させていた。硬くなった胸椎の動きを付けて、肩の可動域を改善させ、頸椎と胸腰移行部の矯正を行うと背中の痛みは消失。授乳は習慣的に行うことなので自宅で出来る背中を反らすエクササイズ指導した。
また、骨盤においては、骨盤の開きがあり、産後3カ月なのでまだ骨盤が不安定な状態であった。産後に骨盤ベルトをあまり使っていないことも原因であった。この患者さんの場合は、骨盤の歪みがあったにもかかわらず、骨盤ベルト付けていたので産後の1か月間楽にベルトを巻けなかったのかもしれない。施術後は、しっかり骨盤の歪みを矯正してから骨盤ベルトを巻くと違和感なく、逆に楽になったと感じでいた。週1回の施術を4回、2週に1回の施術を3回、現在は月1回のメンテナンスとして通院している。骨盤の矯正を行ってから体重は4キロ減り、妊娠前の体重まであと3キロ。現在は骨盤底筋や腹筋・背筋などの体幹のエクササイズも行っている。
産前産後の女性を対象とするエクサイズに興味を持ち、ピラティスインストラクターの資格も取得。WHO基準カイロプラクターとして、より効果が高く持続する独自のケアメソッドを提供しています。一児の母。