こんにちは、リボンカイロプラクティック中目黒です。
今回はゴルフによって肩の痛みを発症した方の症例です。遠方の為、2回しか施術できていませんが劇的に症状が改善したのでご紹介します。
症状
1か月前から右肩甲骨の辺りが徐々に痛くなってきた。日頃は座っているだけで鈍痛、触るとビリっとした鋭い痛みがある。最初は肩甲骨の痛みだけだったが、右腕の違和感や指先のなんとなくの痺れを感じる。また、腕の力が入りにくいこともある。思い当たる原因は、ゴルフが趣味だが先月は普段よりゴルフの回数が多くそのため練習場に通う回数も多かったので、自分ではゴルフのやりすぎなのかなと思っていた。
ここ最近は、車の運転で右手でハンドルを握り、肘が浮いている状態だと辛いので、肘を窓に乗せて固定して運転している。ゴルフ以外の運動はしていない。
痛みが徐々にひどくなっていたので心配で整形外科を受診した。レントゲンでは骨には問題なく、姿勢悪いことが原因だと言われた。姿勢を正すようにと言われ、患部に痛み止めの注射をしてもらった。確かに、姿勢を正すと少し症状が和らぐ気もするが長時間正しい姿勢でいることがつらい。病院では根本的な改善はできないと思いカイロプラクティックを来院した。
検査
立位で右肩は上がっており、胸椎(背中)の後弯がとても大きく猫背になり、頭部は前方にシフトしている。本人訴える痛みは、右肩甲骨の棘下窩から上腕骨の大結節に付着する右棘下筋であった。筋腹にトリガーポイントがあり、指圧するとひどい鋭痛と共に右上腕から指先までの関連痛を伴う。また、不良姿勢によって肩と肩甲骨自体が正しい位置になく、肩甲骨の動きも極端に悪い。右胸の大胸筋の緊張を強く、右肩が内に入っている。全体的に背骨の柔軟性は低下しており、右肩甲上腕関節(肩)関節の動きも外旋や外転、伸展で大きな制限を受けいている。
施術
まずは、痛みを出している棘上筋に負担をかける原因になっている肩や肩甲骨の位置を戻す為、ゆっくりと右胸筋を緩めながら肩甲骨の動きを付けた。最初は多少痛みもあり本人無意識でもリラックスができずにいたが、時間かけてゆっくりと大胸筋をストレッチしながら関節を動かすと可動域も広がった。この時点で棘下筋の触診を行うと、棘下筋自体は痛みが残るものの、本人の訴える右上腕から指先への関連痛は消失した。そして、硬くなった脊柱、特に頚胸椎移行部(首の付け根あたり)の動きを付けた。
遠方からの来院で、2日間続けて計2回の施術しか難しかったので、翌日に施術を行った。翌日は自覚症状はかなり軽減しており昨日施術前の痛みを10とすると今日は3くらい(VAS3)であった。また、腕の力(特に伸展)が入りにくかったが、それがなくなっていた。2回目の施術も初回同様に肩甲骨の動きと肩関節の動きを付けた。最初はかなり無意識に肩に力が入っていたが、関節が動いてくるとリラックスできるようになった。長期的にみて脊柱の柔軟性を上げることが姿勢の改善につながるので、左右の肩甲骨を寄せる動きや胸筋のストレッチ、胸椎の伸展を付けるエクササイズなどを指導した。この時点で、右棘上筋は触ると多少の痛みはあるが、座位での痛みは消失しており日常では気にならなくなっていた。
結果
今回、痛みの部位は肩甲骨から上腕骨に付着する棘上筋という筋肉でした。施術は、この筋肉に対してよりも肩甲骨の動きを改善させ、不良姿勢の原因の一つである大胸筋の過緊張を緩めることで症状が改善されました。原因は、ゴルフによる筋肉の過剰使用、日頃の肩甲骨の動きの悪さや不良姿勢です。その結果、肩甲骨に付着する棘上筋にストレスがかかりトリガーポイントを発症したのでしょう。反復動作をするときに動作に関わる筋肉に負担をかけるにもかかわらず、全くケアしないことが発症のきっかけでしょう。この方の場合、日頃からゴルフをしていたのでスウィングの動作は日頃からやっていましたが、回数が多かった時に発症しました。スポーツでもデスクワークでも同じ動作や同じ姿勢を繰り返すと身体にとっては負担になります。そういう方は、痛みや症状のあるないにかかわらず、日頃から身体のケアを行い不調がないかチェックすることがとても大切です。
産前産後の女性を対象とするエクサイズに興味を持ち、ピラティスインストラクターの資格も取得。WHO基準カイロプラクターとして、より効果が高く持続する独自のケアメソッドを提供しています。一児の母。